犬の外耳炎
犬の外耳炎は犬が最もかかりやすい病気の一つです。
最も一般的な病気ですが、適切な治療を早く行わないと、聴力を損なうこともある危険な病気です。
【症状】かゆがったり、悪臭がする
よく見られる症状は、耳をしきりに触ろうとして掻きます。
かゆみがひどくなると力強く掻いてしまい出血してしまうこともあります。
絶えず頭を振ることもサインの一つです。
また匂いのある耳垢がたまり悪臭がするので耳を定期的にチェックしましょう。
【原因】ダニや異物、感染症
何らかの原因で外耳道に炎症が起こると、外耳炎になります。
ダニ
体調0.3mm~0.5mmのミミヒゼンダニは主に耳の中に寄生しています。
そのようなダニが繁殖すると炎症が起こります。
細菌や真菌
犬の耳の外耳はL字型をしているので、湿度が上がり細菌や真菌が繁殖しやすくなります。
繁殖した細菌や真菌が炎症を起こします。
特に、ゴールデンレトリバーなどの耳が垂れた犬種は、外耳道内の湿度が上がり、通気性が悪くなるので外耳炎にかかりやすいと言われています。
また、シーズーや、プードルは外耳道内の毛が多いため同じ理由で外耳炎にかかりやすいと言えます。
異物
耳のケアを怠ったために耳垢が過剰に溜まっていたり、散歩中に入ってしまった小さな雑草、腫瘍などの異物があると炎症を引き起こします。
アレルギー
アトピー性皮膚炎などのアレルギーにより皮膚疾患も原因となります。
【治療】点耳薬や抗炎症薬の処方
外耳炎の症状が軽ければ点耳薬で治ることが多いです。
症状が重いと、耳を綺麗に洗浄し異物を取り除きます。
ダニが原因となっている場合には、耳を綺麗に洗浄した後ダニを駆除し、抗ダニ薬を塗ります。
細菌や真菌が原因の場合は、抗菌薬や抗真菌薬によって治療します。
耳垢や植物などの異物は取り除きますが、腫瘍が原因であるときには手術が必要になります。
かゆみに対しては、抗炎症薬であるステロイド剤が処方されます。
【予防】耳のケアをして免疫力を高める
定期的に耳をケアして耳垢をとりましょう。
ですが、やりすぎるとばい菌が入る原因となるので必要以上にやりすぎないようにしましょう。
アレルギーによる外耳炎を防ぐためにアレルギーを引き起こすアレルゲンをなくしてあげましょう。
梅雨時などの湿度の多い時期や、入浴後といった耳が濡れている状態が続くと炎症が起こりやすくなるので、いつも乾燥した状態にしてあげましょう。
普段から免疫力を高めておけば、感染症を起こしにくくなります。
また、耳の匂いやかゆがる仕草をしていないかを観察しておけば、外耳炎が起きてしまったとしても早期発見につながります。