フラジールについて
フラジールはメトロニダゾールを主成分とする抗生物質の1つでジアルジア症、炎症性腸疾患の治療に用いられます。ジアルジア症とは寄生虫感染症でジアルジアと呼ばれる原虫が犬の小腸に寄生し発症します。
- 悪臭のある下痢(軟便から水溶性便)
- 腹痛
- 吐き気
- 脱水
- 食欲不振
上記が主な症状です。健康な成犬だと目立った症状は見られませんが、抵抗力の低い仔犬や老犬に多く発症し発育不良や体重の減少といった影響が出ます。他にも犬は小腸で栄養を吸収出来ないので細菌等に対する抵抗力が落ち二次感染の危険性も高まります。
それに対しフラジールは抗生物質の中でも原虫・嫌気性菌への駆除効果に優れ体外に素早く排出する作用があります。注意点として下痢は治っては悪くなるを繰り返す傾向があるので、下痢が治まってもフラジールの投与を中止せずに服用期間を厳守する事が大切です。
服用期間中は犬の身の回りの物(ケージ、おもちゃ等)を熱湯殺菌し、糞便はジアルジアのシストが存在している可能性があるので素早く処理します。また多頭飼育している家庭では感染犬の隔離または一斉にフラジールを投与する必要があります。
予防として散歩中に水溜りの水を飲ませない、他の犬の排泄物に近づかせない、拾い食いをさせないようにします。他にもペットホテル等密接性の高い場所に預ける場合は衛生管理を徹底している施設を選ぶと安全です。
ジアルジアは症状が出ない・軽度の場合も多くいつの間にか感染が広がってしまう厄介な病気でもあるので「ちょっと元気無いかな?」と思ったら早めに治療を開始するのがポイントになります。
フラジールの効果・効能・有効成分
フラジールはニトロイミダール系の抗生物質です。抗生物質の中では比較的副作用が少なく安全性の高い薬とされています。抗生物質の効きにくい嫌気性菌が原因の細菌感染症にも優れた効果を発揮するので赤痢アメーバー、ジアルジア、ニキビダニ等に有効です。
また他にも慢性的な下痢・おう吐を症状とした炎症性腸疾患の治療にも用いられています。
症状の改善が見られても必ず獣医に指示された期間飲み切る事で再発防止に繋がります。
- メトロニダゾール
メトロニダゾールが微生物の体内でニトロソ化合物に変化する事でDNAの合成を妨げると同時に、反応の過程で生じるフリーラジカルが微生物にDNAの機能障害が起こすので微生物の分裂増殖を抑えます。これらの働きによって原虫や細菌に対し高い駆除効果を発揮します。
またメトロニダゾールは原虫・嫌気性菌に効果的に作用するのが特徴で通常の抗生物質とは成分の効き方が異なります。
フラジールの安全性について
フラジールはメトロニダゾールを成分とするお薬で、原虫や細菌を駆除する目的で使用されます。
人間においては性病の膣トリコモナス症に使われることが多く、細菌性の腟症にも効果があります。
ピロリ菌の二次除菌に使われたり、赤痢アメーバー、ランブル鞭毛虫、毛包虫といった原虫による感染症にも使われます。
犬の治療においてはランブル鞭毛虫によるジアルジア症や、毛包虫による毛包虫症(ニキビダニ症・アカルス)の治療に用いられます。
またアメリカでは腸管にコクシジウム原虫が寄生することで発症する犬コクシジウム症の治療にも使われています。
犬ではわりと見られる下痢やおう吐ですが、慢性的な場合で炎症性腸疾患(IBD)と認められた場合にも使われています。
原虫の駆除や治療に幅広く用いられるフラジールですが、副作用も少なく安全に使用することができるお薬です。
ただし妊娠中の母犬への投与は控えてください。
胎児へ影響が出る場合があります。
用法や容量を守れば安全に使用できるのがフラジールです。
フラジールの使用方法・飲ませ方
犬の体重1kgに対し25mgを1日2回、7日間経口投与します。
用法用量・服用期間は犬の症状によって異なるので必ず獣医の指示に従って下さい。
本剤は苦味が強いので砕いてフードに混ぜて与える方法にはあまり向いていません。
そのまま与える場合
- 1犬におすわりをさせて口元を持ち上を向かせ上あごを開けます。
- 2錠剤をなるべく喉の奥に入れます。(気管に入る事はありません)
- 3口を閉じさせ喉を優しくさすります。
- 4犬が薬を飲み込んだのを確認したら手を離し褒めてあげます。
または好物に包んで与えると良いでしょう。
フラジールの副作用
下痢、痒み、おう吐、吐き気、散瞳、発疹、発熱、目の充血等がある他に肝臓に損傷を与える恐れがあります。またけいれん発作を誘発する場合があるので元々けいれんを起こしやすい犬に対しては配慮が必要です。
上記以外にも何らかの異常が起こった場合はすぐに使用を中止し獣医の診察を受けて下さい。
フラジールの注意点
- 肝臓機能に障害のある犬への使用は血中濃度が高まる恐れがあるので慎重に行って下さい。
- 妊娠中の犬への使用は控え下さい。胎児の奇形を引き起こすリスクがあります。
- メトロニダゾールに対して過敏症の既往歴がある犬への使用は控えて下さい。
- 直射日光を避け冷暗所で保管する。
- 小児の手の届く場所に置かない。
- 内服薬以外の目的に使用しない。
- 耐性菌出現を防ぐために治療に必要な期間のみの服用にとどめて下さい。
フラジールの併用禁忌薬
免疫抑制薬シクロスポリンとの併用でシクロスポリンの血中濃度が高まる恐れがあります。
その他の薬、サプリメントを併用する場合にも必ず獣医に相談してから行って下さい。
フラジールの口コミ感想をまとめています。
フラジールを使用したことがある飼い主さんの「良かった口コミ」「悪かった口コミ」をそれぞれチェックして購入前の参考にして下さい。
犬が下痢をしており獣医に診せると大腸炎でフラジールを処方されました。1週間分処方され2日目あたりから回復してきましたが、まだ体調が思わしくなくこちらで追加分を購入しました。同じ薬があまりにも安かったのでびっくりしました。
ペットショップからお迎えしたばかりのワンコが下痢気味で食欲も無し。新しい環境に慣れていないのかな?と思いつつ、念の為フラジールを投与したら2、3日ですっかり良くなりました。到着も早かったし買って正解でした。
人間用の薬だけどワンちゃんにも効果絶大な良い薬だね。保護した犬がジアルジア症で下痢が酷くグッタリしていたが投薬後数日で食べ物を口に出来るぐらい回復しました。わざわざ病院に行かなくても良い薬が手に入るのは便利です。
粉末状にするのはマジでおすすめしない。苦すぎてフードの味が変わるのかうちの犬は全く食べようとしなかった。ちと可哀想だが無理矢理口を開けさせて薬を放り込んでいる。効き目に関してはとても満足しているよ。
うちの子は拾い食いの癖があります。今回もいつの間にか散歩中に食べちゃったみたいで、下痢が酷くフラジールを与えましたがすごく嫌がるんですよね。色々試した結果チーズやパンに包むと何とか食べてくれます。
先週ドッグランに連れて行ったのが良くなかったみたいで犬がジアルジアに感染し次に猫にも症状が現れました。病院まで車で30分以上かかるのでフラジールがどちらにも使えて助かりました。体重に合わせ薬を調整するのだけがちょっと面倒かな。
これに対しフラジールはジアルジア原虫のDNAに損傷を与え体外に排出する効果があります。ただ苦味が強いとの口コミが寄せられているので粉末状にしての投薬にはあまり向いていないようです。