犬の耳ダニ感染症
犬の耳ダニ感染症(耳疥癬、ミミヒダニ感染症)とは、0,2mm~0,5mmくらいの小さなダニが耳の中に寄生することで発症する病気で、通称耳疥癬やミミヒゼンダニとも呼ばれます。
耳ダニ感染症は全年齢の犬に発症し、子犬によく見られます。
【症状】悪臭がありワックス状の黒い耳垢が出る
耳ダニ感染症の特徴となる症状は、黒い耳垢です。
カサカサしていることもあればワックス状のこともあります。
ひどく痒がり頭を無性に振ったり、足で耳をひどく掻いたり地面にこすりつけたりします。
激しい痒みのストレスにより食欲がなくなったり攻撃的になったりするようになります。
ひどく掻いたり放置しておくと皮膚を傷つけてしまい外耳炎や皮膚炎を併発する危険もあります。
外耳炎や鼓膜が損傷してしまうと聴力にも影響が及ぶため、早めに治療する必要があります。
【原因】感染している犬との接触や免疫力の低下
耳ダニが寄生することで発症します。
耳ダニは耳垢などを食べて成長します。
耳の中で大量の卵を産みますが、その卵が孵化し成長していき活発に繁殖を繰り返していくため、耳の中に大量に増えていきます。
その卵が生活空間の中にまき散らされるので、他の犬も容易に感染してしまいます。
多頭飼いをしていたり、散歩などで耳ダニ感染症を発症している犬と接触するとあっという間に感染してしまいます。
免疫力の低下も関係しているとも言われています。
【治療】早期に耳ダニを駆除し、投薬治療を行う
耳ダニは一度寄生すると離れず、症状が早く進行してしまいます。
そのためすぐに治療を始めなければなりません。
耳道内を洗浄し耳垢を除去します。
殺ダニ効果のある塗り薬や点耳薬を3週間ほどの一定期間投与していきます。
症状が良くなったとしても、完治しているかどうかは医師の判断に任せ、独断で治療をやめないようにしなければなりません。
炎症がひどい場合や、外耳炎や中耳炎を併発しているならそれに対する治療も行います。
多頭飼いをしていてその中の一匹でも感染しているなら、ベッドやマット、毛布やおもちゃなどにダニの卵があるかもしれず他の犬も感染していることが多いです。
そのためそれらをきれいに洗濯・消毒し生活環境を衛生に保ち、耳ダニ感染症の治療も行う必要があります。
【予防】耳のチェックをすること、感染している動物との接触を防ぐ
耳の手入れをしっかりして耳の中をチェックをすることを習慣にしましょう。
黒い耳垢が見られるようなら早めに病院へ行きましょう。
他の犬からの感染を防ぐために、感染している動物との接触を防ぐことが大切です。
飼い主が耳ダニに感染している動物を触ると、手や服に耳ダニの卵が付着していることがあるため、外で動物に触れたら手を洗うことを忘れないようにしましょう。