犬の前十字靭帯断裂
前十字靭帯とは膝関節の内側にあり大腿骨と脛骨をつないでいる靭帯のことです。
ダックスフント、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ロットワイラー、コーギー、ビーグル、柴犬、チワワ、ヨークシャーテリア、マルチーズなどに発症しやすいと言われています。
【症状】強い痛みがあり、足をひきずったり足を上げたまま歩いたりする
前十字靭帯断裂になると強い痛みが生じ、足をひきずったり、足を上げたまま歩くようになります。
そのうちに痛みが落ち着くと、いつものように歩いたり走ったりするようになりますが、その後しばらくして膝がぐらつき、脛骨が前方に大腿骨が後方にずれてしまい、放置すると半月板が損傷し激しい痛みが引き起こされます。
【原因】急激な圧力がかかることや老化、肥満が原因
急性前十字靭帯断裂の原因は、激しく膝をねじったり非常に強い力がかかることで損傷すること、事故などで外側から急激な圧力がかかることです。
慢性前十字靭帯断裂の原因は、長期的なダメージの重なりです。
比較的高齢の犬に発症しやすいとされています。
老化や肥満により膝関節や靭帯に負荷がかかるためです。
【治療】症状の程度や体重によって治療法が異なる
触診やレントゲン検査を行い症状を確認します。
5kg以下の小型犬の場合、前十字靭帯が断裂してもしばらく安静にしていれば、膝関節に起こった炎症が治まります。
関節包が硬くなり前十字靭帯の代わりに大腿骨と脛骨を固定するようになるので、問題なく歩いたり走ったりできるようになります。
そのため外科的な治療は必要ありません。
これは保存療法と呼ばれています。
5~15kgの犬は小型犬に行なう保存療法と外科的手術を半々に行います。
16kgを超える犬は外科手術が必要となります。
他の靭帯や人工物を使って前十字靭帯を作り出します。
膝関節の外側に人口靭帯を固着し、大腿骨と脛骨をつなぐ人口靭帯手術や、脛骨の上部を半円形に切除し脛骨上端部が水平になるようにし固定する脛骨高平部骨切り術などがあります。
【予防】膝関節や靭帯に負荷をかけないために肥満にさせないことが大切
犬は膝が曲がった状態のため常に膝関節や靭帯に負荷がかかっています。
肥満だと必要以上に負荷をかけてしまい、劣化が進みやすく切れやすくなってしまいます。
それで子犬の時から食事をコントロールし肥満を防ぎましょう。
すべりやすい床や激しい運動も負荷をかけるので、絨毯やマットを敷いたり、運動は適度なものにするようにしましょう。
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