犬の進行性網膜萎縮
進行性網膜萎縮とは遺伝性の目の病気です。
発症すると網膜が徐々に萎縮し、失明に至ります。
4~5歳で発症しますが、早いと1歳頃に発症することもあります。
トイプードル、ダックスフント、シーズー、ヨークシャーテリア、チワワ、アメリカンコッカースパニエル、パピヨン、ミニチュアシュナウザーなどに発症しやすいと言われています。
【症状】初期は暗いところ、進行すると明るいところでも見えにくくなる
初期は、夕暮れや夜間など暗いところで目が見えにくくなります。
足元がおぼつかずにおどおどしたり、物につまづいたり、溝に落ちたりするようになるような変化が見られます。
外出や散歩を嫌がるようになります。
その時点では、明るい場所では問題なく行動しています。
進行すると明るい場所や明るい時間帯でも物が見えにくくなってきます。
動作が鈍くなったり階段を踏み外したり、壁伝いに歩いたりするようになり、そのようなことが見知らぬ場所では顕著に現れるようになります。
二次的に白内障を併発したり、緑内障へと悪化することもあります。
痛みはなく症状はゆっくり進行するため、発見が遅れがちになります。
【原因】原因不明の遺伝性の病気
網膜にある光を受容する部分である膜が次第に萎縮し、剥離し視力を失う病気ですが、遺伝性の病気ではっきりした原因は不明です。
【治療】遺伝性の病気のため有効な治療法はない
進行性網膜萎縮は遺伝性の病気のため、治療法はありません。
抗酸化剤やビタミンCを投与し、進行速度をわずかに遅くすることができると言われています。
しかしいずれは失明に至ってしまう病気です。
犬は視覚より聴覚や嗅覚が発達しています。
たとえ目に障害が起きても聴覚や嗅覚が正常に機能していれば、それほど不便を感じずに生きていくことができます。
進行性網膜萎縮による失明は徐々に見えなくなっていくので適応しやすいとも言われています。
それで目が見えなくなっても物にぶつからずに動けるように生活環境を整えましょう。
トイレや餌や水の食器は固定しましょう。
邪魔な物を置かないことや、家具の配置を頻繁に変えたりしないことも必要です。
散歩は、人や車や他の犬があまりいないコースを歩き、静かな時間帯に行なうようにしましょう。
【予防】定期的な検査を受ける
進行性網膜萎縮になりやすい犬種は、年に一回は定期検査を受けるようにしましょう。
進行性網膜萎縮を発症してしまっても、聴覚や嗅覚が正常であれば不便をそれほど感じずに生きていくことができるので、耳のケアや歯磨きを徹底的に行うなどして耳や口腔内の病気を防ぐことが大切です。
この病気によく見られる症状
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