犬の内耳炎
内耳炎は、耳の奥にある半規管や蝸牛などの内耳と呼ばれる部分に炎症が起こった状態の事をいいます。
食欲不振やバランス感覚異常の症状が現れます。
内耳炎に罹患すると後遺症が残る場合もありますので、罹患しないように予防をしっかりと行ってください。
【症状】斜頚や眼振、運動失調や旋回が起こります
内耳炎の症状として普通にみられるのは、罹患した耳の側への斜頚や眼振、非対称性の足の運動失調です。
急性期には方向感覚を失って、罹患側に向かって旋回して倒れます。
さらに、強調運動と平衡感覚が侵され立ったり歩いたりできなくなることもあります。
この他、嘔吐や食欲不振も普通に見られます。
ただし、内耳炎の症状は突発性の前庭疾患なのか、腫瘍など他の抹消の前庭疾患によるもとの区別が非常に困難です。
また、内耳である蝸牛という部分は、音を脳に伝える働きがあるので、この役割が働かないと呼びかけに無反応になります。
【原因】外耳炎・中耳炎からの波及や、異物の侵入
内耳炎の原因は、中耳炎からの波及や腫瘍、ポリープ、感染症、液体の侵入などが考えられます。
中耳炎の原因には感染性とアレルギー性とがあります。
中耳炎もまた外耳炎からの波及で起こる事があります。
外耳炎の原因には、外耳道に蓄積した耳垢に細菌や酵母が繁殖して耳道粘膜に感染が成功したものがあります。
耳道が狭かったり、耳の毛が多かったり、耳介がたれていたりした場合外耳炎にかかりやすいです。
【治療】抗菌薬や抗生物質の投与
内耳炎の治療はその原因を治療することを目的として行います。
中耳炎や外耳炎が見られる場合はその治療が必要です。
炎症に対して、抗菌薬や抗生物質を投与します。
症状がひどい場合には鼓膜を人為的に切って中耳を温めた滅菌生理食塩水で洗浄する事もあります。
内耳炎が前庭神経に波及し、バランス感覚に問題が生じている場合には、怪我の予防のためにも運動制限を行います。
【予防】耳を清潔に保つ
予防にはまず、耳を清潔に保つことが大事です。
外耳炎・中耳炎からの波及をなくすためにも、耳毛を少なくしたり、耳掃除を週に1回行ったり、耳垢のチェックを行ったり、耳が高温多湿にならないように乾燥を心がけるようにしてください。
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