犬の脳腫瘍
脳腫瘍は、脳から発生した原発性脳腫瘍か、がん細胞が脳に転移して発生する転移性脳腫瘍にわけられます。
7歳以上に発生することが多く、短頭種(ブルドッグなど)やゴールデンレトリバーなどに発生しやすい病気です。
【症状】痙攣、眼振、斜頚、歩行困難、食欲不振など
脳腫瘍の症状は、急に臆病になったり、反応が鈍くなったり、怒りっぽくなったり、痙攣発作を起こすようになったなど特に理由もなく性格が変わる精神的変化と、眼振、視力喪失、斜視、目がくぼむなどの目の変化、斜頚や捻転斜頚などの首の傾きの変化、顔の筋肉が薄くなったり、頭のてっぺんの骨が出っ張ったように見える顔の筋肉の変化、後ろ足がふらついたり、一定方向に傾いて歩くなどの姿勢や歩き方の変化などがあります。
食欲不振や、逆に過食が起こる場合もあります。
脳腫瘍の出来る位置により症状が変わります。
【原因】遺伝性や頭部の怪我、放射線、農薬などが考えられる
明確な原因ははっきりしていませんが、遺伝性、頭部への怪我、放射線、農薬などが考えられます。
脳腫瘍には良性と悪性がありますが、どちらも悪い働きをします。
【治療】手術、緩和治療、放射線治療、化学療法など
脳腫瘍の治療は、手術、緩和療法、放射線治療、化学療法(抗がん剤など)などがあります。
手術は、罹患犬がまだ若く体力がある事と、腫瘍の位置が手術可能範囲であれば行うことが出来ます。
老齢であたり、手術が難しい場合は、他の治療法を行います。
緩和療法は、症状の緩和を目的とします。
放射線治療は、がん細胞に放射線を当てる事で、症状の進行を遅らせる事を目的とします。
併用して治療する場合もあります。
完全治療が困難な病気で、後遺症が残る場合もありますので、飲み薬でてんかんを抑える必要があります。
【予防】早期発見・早期治療
脳腫瘍は予防が難しい病気で、早期発見・早期治療が重要になります。
日ごろからよく観察し、病気のサインである症状が現れたら病院で見てもらいます。
この病気によく見られる症状
似たような症状が出る他の病気
犬の門脈シャント
【症状】肝性脳症によるよだれやふらつき 通常は、消化管内で産生されたアンモニアなどの毒素は腸管から吸収されると、門脈と呼ばれる…
犬の拡張型心筋症
犬がかかる拡張型心筋症とは、心臓の筋肉である心筋に何らかの異常が起こり、心臓の働きが弱くなってしまう病気です。 心臓が肥大した…
犬の骨折
骨折とは骨が損傷を受けた状態を指します。 小型犬や子犬は骨が細く、骨折する危険が高いので注意が必要です。 【症状】主に腫れや痛…
犬の変形性骨関節症(DJD)
【症状】歩行異様から運動制限など 変形性骨関節症は初期症状として、歩行などの動くことを嫌がる、跛行、着地不能などの歩様異常を示…
犬の狂犬病
狂犬病はほぼすべての哺乳類が感染し得る病気で、発症するとほぼ100%死に至ります。 【症状】行動面や性格が変化する 狂犬病に感…
犬の認知症(痴呆/認知機能障害/認知障害症候群)
人間と同じように犬でも認知症が問題になってきています。 高齢化に伴って生じる脳の変化が原因で説明のつかない異常な行動を起こすこ…
犬のクリプトコッカス症
【症状】肉芽腫が鼻の穴にできて塞いでしまう クリプトコッカス症の症状としてはくしゃみや鼻水といった鼻炎の症状で、鼻水はドロッと…
犬の肺動脈狭窄症
肺動脈狭窄症は、犬における先天性心臓病の発症件数調査で、国内外問わず上位5位に入るほど発生頻度の高い病気です。 プードル、コリ…
犬の心房中隔欠損症
心房中隔欠損症とは、心臓の左心房と右心房の間にある中隔という壁に生まれつき卵円孔という穴が開いている病気です。 【症状】卵円孔…
犬のフィラリア症(犬糸状虫症)
【症状】感染から発症までは長いが急性の場合はただちに動物病院へ フィラリアという寄生虫の感染によって起こる病気ですが、感染初期…
犬の股関節形成不全(股関節形成異常)
股関節形成不全とは、太ももの骨と骨盤とを結合する股関節がうまく作られず形が異常になってしまう、発育や成長の異常です。 この病気…
犬の内耳炎
内耳炎は、耳の奥にある半規管や蝸牛などの内耳と呼ばれる部分に炎症が起こった状態の事をいいます。 食欲不振やバランス感覚異常の症…
犬の白内障
【症状】瞳の白濁による視力障害 白内障の症状には、肉眼的変化(眼が白くなる、つねに瞳が広がっている)や、視覚障害(暗いところで…
犬ジステンパーウイルス感染症
犬ジステンパーウイルス感染症とは犬ジステンパーに感染することにより発症する、死亡率と伝染性の高い病気です。 感染すると1週間ほ…
犬の椎間板ヘルニア
【症状】激しい痛みにより、動かずじっとしています 椎間板とは頚椎から尾椎の椎骨と椎骨のあいだに存在し、椎骨を連結する役割を果た…
犬の臍ヘルニア(さいヘルニア)
臍ヘルニアとは、いわゆる出べそのことです。 へその部分からお腹の脂肪や内臓の一部が飛び出てきているものを臍ヘルニアと呼びます。…
犬の熱中症(熱射病、日射病)
【症状】体温の上昇、パンティングが起こる 熱中症の症状には、息が荒くなる、ぐったりする、尿・便の失禁がみられます。 体温が41…
犬の水頭症
水頭症とは頭蓋骨が大きく骨が薄い犬種、短頭種、小型犬に多く発症する脳の病気です。 チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスフン…
犬のてんかん
【症状】全身、身体の一部に痙攣や発作をおこす てんかんとは脳の神経系統が何らかの原因で興奮状態となり、体の制御ができなくなる病…
犬のトキソプラズマ症
【症状】無症状の場合が多いが妊娠していると流産の危険性も 一般的には感染しても無症状のままが多いのですが、発熱や筋肉痛と言った…