犬のレッグ・ペルテス病(レッグ・パーセス病)
【症状】足を引きずって歩いていたら要注意です
レッグ・ペルテス病(レッグ・パーセス病)は大腿骨頭壊死症とも言われる股関節の病気です。
初期には何となく足をかばって歩いたり、歩幅の狭さが気になる程度です。
しだいに歩行障害へとつながり、筋肉の萎縮や股関節部分を触られるのを嫌がったり痛がったりします。
大腿骨頭壊死症の名の通り、最終的には大腿骨の最も付け根の部分である大腿骨頭の骨折を引き起こします。
【原因】直接の原因は血流量の減少ですが遺伝的要因が主因かもしれません
大腿骨頭への血液供給不足がその原因です。
血液が何らかの理由で大腿骨頭へ流れないまたは血流量が少なくなることで、骨が変形したり崩壊するのがレッグ・ペルテス病(レッグ・パーセス病)です。
変形や崩壊するために病的骨折を起こし、股関節部分が堅く固まった状態になったり痛みがずっと続きます。
この血液供給不足がなぜ起こるのかは分かっておらず、遺伝的要因が主因と考えられていますが、外傷や栄養状態、内分泌に関することまたは循環に異常があるのではなど、様々な要因が重なって起こるのではと考えれれています。
【治療】外科手術によって普通に歩けるようになります
症状が軽度な初期段階においては抗炎症剤を用いた内服薬や鎮静剤の投与と、運動制限をすることによって改善を待ちます。
この方法では半年程度にわたってケージに入れて、様子を見ていくということが実施されます。
一部では上記の方法で改善が見られますが、大半では症状が進行してしまい外科手術を行うことになります。
大腿骨頭を切除し、残った骨と臀部の筋肉が上手く関節のような状態にくっつくことで普通に歩く事ができます。
また切除した箇所に人工関節を付けリハビリを行うことで正常な歩行を取り戻していく場合もあります。
【予防】予防は難しく発症しやすい犬種がいます
この病気は遺伝的要因が大きく予防することは困難です。
また下記の犬種において発症が多いと言われています。
- ウェストハイランドホワイトテリア
- ケアーンテリア
- コッカースパニエル
- シェットランドシープドッグ
- ダックスフント
- トイプードル
- パグ
- プードル
- ペキニーズ
- ポメラニアン
- マンチェスターテリア
- ミニチュアピンシャー
- レイクランドテリア
などです。
またレッグ・ペルテス病(レッグ・パーセス病)を発症した犬は、遺伝することを考慮して避妊や去勢の手術を受けることが望まれます。
この病気によく見られる症状
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