犬の肛門嚢炎
肛門嚢炎とは、肛門の左右やや下側にある肛門嚢を呼ばれる部分が細菌などに感染したり、肛門嚢開口部の閉塞によって引き起こされる炎症のことです。
肛門嚢から排出される分泌液は、正常であれな自然排出され自分の匂いをつけるマーキングに利用されます。
【症状】痒みがありお尻を地面や床にこすりつけるなどの様子が見られる
肛門嚢炎の症状はまず痒みが生じます。
そのため地面や床などにお尻をこすりつけたり、尾を追いかけてぐるぐる回るなどの痒がる様子が見られます。
肛門周りが赤く腫れたり皮膚が荒れたりするため触ると嫌がったり、痛がったり攻撃的になったりします。
異臭や発熱が見られることもあります。
ひどくなると化膿し出血することもあり、排便困難や食欲低下などの症状が現れます。
【原因】肛門嚢の中に分泌液が溜まり、細菌感染することが原因
通常、肛門嚢の分泌液は排便時や興奮時に排出されますが、何らかの原因で正常な排出が滞り細菌が侵入したことで肛門嚢炎を発症します。
その原因となるものに、加齢があります。
老化で括約筋の収縮力が低下すると肛門嚢を絞る力が弱まり分泌液が溜まってしまい、滞った分泌液の中で細菌が繁殖してしまいます。
トイプードルやチワワなどの小型犬も肛門括約筋の力が弱いため本来なら自然に排出される分泌液が自力で排出しにくいと言われています。
シェパードやラブラドールなどの尾が下りた犬種は通気性が悪くなるため肛門嚢炎を発生することがあります。
また下痢や軟便が続くと肛門周りが不衛生になり、細菌が感染しやすくなります。
他にもストレスや、肥満なども関係しているとされています。
【治療】肛門嚢を絞り分泌液を排出する、外科手術で切開して膿を出すこともある
症状が軽い場合は、肛門嚢を絞り分泌液を排出します。
そして抗生物質や消毒液を使い細菌を殺したり、患部を清潔に保ちます。
投薬治療が効かなかったり炎症が重い場合は、外科手術で化膿した箇所を切開し膿を出し洗浄したり、肛門嚢自体を切除することもあります。
【予防】定期的に肛門絞りをして分泌液を排出させる
肛門嚢炎の予防のため、一か月に一回は肛門絞りを行いましょう。
肛門の4時付近と8時付近の方向に袋があるのでそこに親指と人差し指を置き、少し奥に押しぶどうを潰すような感じで奥から手前に絞りだします。
そのようにして肛門嚢に分泌液を滞らないようにします。
下痢や軟便などが続いているなら、肛門周りを清潔に保つようにしましょう。
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