犬パルボウイルス感染症
パルボウイルス感染症は免疫力の弱い子犬に発症しやすく、感染した場合1～2日で急死することがあります。
犬パルボウイルスは感染率が極めて強く、現在でも死亡率の高い伝染病です。
【症状】激しい下痢や嘔吐を繰り返し、トマトジュースのような血便が出る
生後6～16週くらいの子犬に発症しやすく広く発生する腸炎型パルボウイルスは、腸の粘膜に影響し激しい下痢、嘔吐、食欲が完全に落ちる、元気がなくなるなどの症状が現れます。
症状が重い場合、下痢は悪臭がし、トマトジュースやトマトケチャップのような血便が出ます。
嘔吐と下痢により体内の水分が奪われ脱水状態に陥ると衰弱し、リンパ組織や骨髄が破壊されると1～2日以内に死亡する可能性が非常に高くなります。
心筋炎型パルボウイルスは、突然に症状が現れ、それまで元気だった犬が急に悲鳴を上げたり、嘔吐、呼吸困難、息切れが生じ急激に症状が悪くなり心筋炎で死亡してしまうことも少なくありません。
【原因】感染した犬との接触やウイルスが付着した物を通して感染する
犬パルボウイルスは感染した犬の排せつ物や嘔吐物に大量に含まれています。
そのため犬パルボウイルスに感染した犬の便や嘔吐物、唾液、鼻水などを舐めたり触れたりすることで感染します。
感染した犬が使ったウイルスが付着した食器を使ったり、感染した犬を触った人間の手や衣類を介して感染することがあります。
アラスカンマラミュート、ドーベルマン、ジャーマンシェパード、ピットブル、ラブラドールレトリバー、ロットワイラーなどの犬種は感染率が高く症状が重くなりやすく、回復率が低いと言われています。
【治療】ワクチンを接種することで予防ができる
ウイルスが便から排出されるため便を用いた検査で診断します。
ウイルス自体に有効な薬はなく感染した犬の免疫力を高めることが必要です。
体力を回復させるため免疫力を高める薬や、二次感染を防ぐためインターフェロン、抗生物質、抗炎症剤、下痢止め、吐き気止め、白血球減少抑制剤などを投与します。
脱水症状が見られるなら、絶食と絶水をさせ輸液や酸素吸入などにより回復に努めます。
感染した犬が触れたすべてのものを完全に消毒することが必要です。
他の犬への感染を防ぐため隔離して治療することが必要です。
【予防】ワクチン接種を忘れずに
子犬の場合は適切な時期と回数に応じてワクチンを接種します。
成犬でも一年に一回はワクチンを接種することを忘れないようにしましょう。
発症してしまっても1～2日以内に治療すれば助かる確率が高くなるため、異常が見られたら至急病院を受診しましょう。
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