犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)
【症状】下痢や嘔吐のほか急性の場合は呼吸困難やショック状態にも
この病気は副腎から分泌される副腎皮質ホルモンの量が低下することで起こります。
元気や食欲がなくなり、下痢やおう吐、体重が減るといった症状のほかに、水を大量に飲んだりおしっこの量や回数が増えたりします。
このような症状を繰り返し起こすのが慢性のアジソン病と言われています。
急性の場合は急にしんどそうにしたり、ふらつきや転倒したり、微熱や呼吸困難やショック状態になるなど、急いで治療しないと命にかかわるものです。
急性の場合は特に「副腎クリーゼ(急性副腎不全)」と呼ばれています。
【原因】腎臓上部の副腎の機能低下が免疫反応や腫瘍によって起こります
原因は腎臓の上部にある副腎から副腎皮質ホルモンの量が低下するためです。
ほとんどの場合は自身の免疫反応によって副腎皮質が壊され、機能が低下することによって分泌量が低下するためです。
その他に腫瘍や薬剤で破壊されるケースもあります。
このうち薬剤については副腎皮質の機能を弱める成分が入った薬によるもののほか、逆に病気治療のため投与されていた副腎皮質ホルモンと同機能のステロイドの投与を止めた場合があります。
急性である副腎クリーゼの場合は、すでにアジソン病を患っている犬が大きなストレスを受けた場合や両側の副腎が同時に機能を低下した場合に起こります。
【治療】急性の場合は直ちに入院して治療しますが一生涯ホルモンの補充療法が必要になります
急性の副腎クリーゼの場合はすぐに入院させて、点滴で電解質など輸液と一緒にステロイド系抗炎症薬を静脈へ投薬します。
急性の状態から回復した場合や慢性の場合には、副腎で作られる副腎皮質ホルモンを補うために補充療法を生涯行います。
またストレスは副腎クリーゼの発症の危険性を高くするので、愛犬の住環境の整備も大切になります。
【予防】水を飲む量やおしっこの回数が増えたら要注意
予防法は特にありません。
早期発見や早期の治療が最も重要になります。
水を飲む量が目に見えて増えたり、尿の量や回数が増えた場合などには獣医師の診察を受けることが大切になります。
【犬種】アジソン病(副腎皮質機能低下症)がよく発症する犬種がいます
犬のアジソン病はメス犬に多く、7~8割程度を占めます。
また下記の犬種にやや多いと言われています。
ウェストハイランドホワイトテリア
グレートデーン
コリー
スタンダードプードル
ソフトコーテドウィートンテリア
ビーグル
ポーチュギーズウォータードッグ
ロットワイラー
などです。
この病気によく見られる症状
おしっこの量が増える(尿がたくさん出る) ショック状態を起こす 下痢をする 体重が落ちる(やせる) 元気がない・疲れやすい 吐く(嘔吐) 水をたくさん飲む 食欲がない
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