犬のコクシジウム症
【症状】子犬で発症しひどい下痢や血が混じることもあります
成犬の場合は症状が現れることはほとんどありません。
主に子犬の場合に発症します。
コクシジウム症が発症するとまずひどい下痢が兆候として表れます。
水溶性の便であることが多く、血が混じっていたり粘液状の便となることもあります。
下痢が続くことで脱水状態となり、嘔吐や食欲不振と言った症状も見られます。
【原因】母犬からの感染が大半で、ストレスが引き金になることも
コクシジウムという寄生虫が腸管に寄生することで発症します。
感染した犬の糞にコクシジウムの卵と言うべきオーシストが含まれていて、そのオーシストから生まれたスポロシストという未成熟な状態のコクシジウムに汚染された食物等を口にして感染します。
ほとんどの場合は母犬が感染していて、その母犬の糞から子犬に感染するケースが大半です。
なお成犬は寄生されていてもほとんどが無症状で、飼い主が気付くことは皆無です。
発症するのは生後6か月までの子犬が多く、季節要因や飼い主が変わったと言うようなストレスが引き金で寄生虫が増殖すると考えられています。
【治療】投薬によって寄生虫の増殖を防ぎます
まずは便検査で寄生の有無を確認します。
寄生が確認されれば投薬によって治療します。
治療期間は2~3週間ほどで、脱水症状を起こしている場合はあわせて治療します。
なおこの投薬治療では寄生虫を殺すものではなく増殖を抑える目的であり、免疫力の回復を待って元気を取り戻すものです。
また症状が回復したあとも、しばらくの間はコクシジウムの卵であるオーシストが混じった糞をするので適切な処理が必要です。
【予防】妊娠前に検便でチェックするのが有効です
コクシジウム(オーシスト)が混じった糞がエサや水に混ざったりしないように注意するべきです。
糞は放置せずに適切に処理しましょう。
なおオーシストの状態では感染力がありませんから、口に入らない限り安全です。
コクシジウムは消毒薬では死滅しません。
汚染されている場合には糞を焼却処分するのが有効です。
母犬から子犬への感染が多いのでできれば妊娠前に検便でチェックし、もし感染していれば事前に駆虫することが重要です。
妊娠中に駆虫する場合には、使用する薬がお腹の子犬に影響がないかを獣医師とよく相談することが大切です。
また一度感染した犬は免疫力の低下や体力の低下によって再発症することがあります。
飼育環境を清潔に保つことが最も重要な予防策だと言うことができます。
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