犬のレプトスピラ症

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【症状】無症状の場合も多いけど吐血や黄疸などの症状と短期間で死亡することも

レプトスピラ症にかかった犬の大半は、特に症状が出ないまま自然治癒します。
ただしかなりの長期間にわたって尿とともに菌を排出して感染源となります。

症状が出る場合は2つの種類に分けられます。

出血型

高熱と食欲不振、結膜の充血、嘔吐、血便、血尿、吐血や鼻血と言った症状が出ます。
また脱水や尿毒症を起こし死に至ることが多いです。

黄疸型

黄疸、嘔吐、下痢、口内の粘膜や歯茎から出血、高熱や全身の震えなどを引き起こし、発症から短い日数で死亡するケースも多いです。

【原因】ネズミの尿が混じった水から細菌感染します

犬のレプトスピラ症はレプトスピラに属する細菌の感染によって引き起こされます。
犬には主に「イヌレプトスピラ菌」や「黄疸出血レプトスピラ菌」の感染によって引き起こされますが、それぞれ違う症状を起こします。
また他のレプトスピラに属する菌による感染も無いわけではありません。

最も多い感染源はネズミです。
ネズミはレプトスピラに感染しても症状が出ず普通に生活しますが、その尿からは一生涯菌を出し続けます。
また先にも記しましたが、感染しているけども無症状の犬の場合も一生涯にわたり菌が混じった尿を出すことになります。
この菌を含んだ尿やこの尿が混じった水を摂取することで無感染の犬に感染します。

また菌に感染した犬同士の交尾や生殖器を舐め合うような行為によっても感染します。

イヌレプトスピラ菌に感染すると出血型に、黄疸出血レプトスピラ菌に感染すると黄疸型の症状が出ます。

【治療】抗生物質の投与が中心で対症療法も行います

ペニシリンやストレプトマイシンといった抗生物質を投与して菌を死滅させます。
ただし破壊された菌が出す毒素によるショック症状に注意が必要です。
また様々な症状が出るので、症状ごとに対症療法を行います。

【予防】ワクチン接種だけでは不完全ですから不衛生な場所へ愛犬を近づけないように

最も有効な予防法はワクチンの接種です。
定期的に接種しましょう。
ただし血清の型によってワクチンが無い場合もあるので、完全に防ぎきれるものではありません。

この細菌は土の中や水中で半年以上生存することができます。
なので水たまりなどはレプトスピラ菌の格好の住みかにもなるので、犬が不衛生な場所へ近づかないように注意しましょう。

【注意】レプトスピラ症の人間への感染

レプトスピラ症は人間が感染した場合ワイル病とか秋疫(あきやみ)と呼ばれています。
人間における感染例が熱帯や亜熱帯地方を中心に多数が報告されており、日本でも川の水を通じた集団感染も報告されている。

人間においても風邪と似た症状程度で回復することもあるが、全身から出血するなど重症化することもあり死亡率も高い。

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