犬の肥満細胞腫
犬や猫に多発する腫瘍の一つで特に犬に多く発生します。
あらゆる場所に発生しますが、そのほとんどが皮膚に発生します。
犬の皮膚腫瘍の7~20%が肥満細胞腫だといわれています。
生後6ヶ月頃から認められ、高齢になるにつれ発生頻度が高くなる傾向にあります。
【症状】基本的にしこりが出来、食欲不振や体重減少などの症状が現れる
一般的な症状としては、食欲不振、体重減少、嘔吐、下痢、黒色便、貧血、発熱、黄疸、腹水、血便、排便困難などがみられます。
見た目は直径1~4cm程度のしこりで、増殖(大きくなる速度)は穏やかですが脱毛が見られます。
定まった形態を持たず、「大いなる詐欺師」との異名をもつほど多様な外見を示します。
悪性であれば増殖が急速で、腫瘍周囲に炎症が起こり、赤みが強く潰瘍化する傾向にあります。
また、悪性で性質が悪いものであれば、体のあちこちに転移をしてしまいます。
【原因】定まった原因はない
肥満細胞腫は、肥満細胞が腫瘍になってしまったことにより発生します。
皮膚に出来る場合は、そのほとんどが悪性になります。
遺伝的、環境要因、免疫力の低下などが原因として挙げられますが、明らかではありません。
ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、柴犬、パグ、ボクサー、ブルドッグなどが好発犬種として挙げられます、基本的にどの犬種でもかかる可能性のある病気です。
【治療】手術、化学療法、放射線療法など
表面に現れた肥満細胞腫は見た目では悪性か良性かを判断することは難しく、腫瘍の中の細胞を採取して検査をします(針生検)。
腫瘍は発生部位により広範囲の切除が可能な場合であれば、手術により摘出することができます。
原発巣に対して最初の手術は治療率に大きく関わるので適切に行う必要があります。
手術のほかには、抗がん剤やその他の薬品を使用して治療する化学療法や、放射線療法なども治療法として挙げられます。
放射線療法は出来る病院が限られますので、注意が必要です。
【予防】皮膚のしこりや垂れを早期発見すること
予防法はなく、普段から、皮膚に出来るしこりや腫れが無いかを定期的に確認する事が大切です。
また、定期的な健康診断も早期発見に有効です。
家庭では、普段からのコミュニケーションをしっかりと行う事で、体の異常に早く気づくことが出来るようにします。
この病気によく見られる症状
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