犬の脂肪腫
脂肪腫とは、脂肪組織が皮膚や筋肉の下または隙間に蓄積されることによって発症する良性腫瘍です。
胸部、腹部、脇の下、内股にできやすいと言われています。
【症状】ブヨブヨとした弾力のあるしこりが徐々に大きくなる
脂肪腫は数年かけて徐々に大きくなり他の腫瘍より大きくなることが多いと言われています。
10㎝以上にもなる脂肪腫も存在するようですが、形も大きさも一定ではありません。
皮膚が大きく盛り上がり触ると弾力があります。
脂肪腫には痛みはありませんが、筋肉の間に脂肪腫ができた場合は非常に硬くなり、筋肉を圧迫してしまうので痛みを伴うことがあります。
胸部、腹部、脇の下、内股にできやすいです。
普通は一つだけ存在しますが、体の数か所にできることもあります。
犬が脂肪腫を気にして噛んでしまったり潰してしまうと、皮膚炎や潰瘍となることもあるため注意が必要です。
【原因】はっきりした原因は不明だが代謝が関係しているかも
脂肪腫は皮下の脂肪が無制限に増えたために脂肪の塊が作られたものですが、なぜそうなるのかはっきりとした原因は分かっていません。
しかし、8歳以上の老犬や、肥満型の犬に現れやすいことから、基礎代謝が関係しているのではないかと考えられています。
【治療】手術で切除することもあるが必ずしも必要ではない
脂肪腫は痛みがないので犬の動きや快適さを妨げないのであれば、手術をして取り除くことは必要ありません。
しかし良性の物なのかを断定するには細胞診や組織診断が必要になります。
脂肪腫はほかっておくと大きくなって邪魔になることがあります。
そうすると動きにくくなり歩行困難になることもあるため、その場合には外科手術で切除します。
脂肪腫の中には四肢の中に入り込むタイプもあり簡単に切除できません。
そのため断脚が必要になることもあります。
心臓に疾患があったり、腫瘍が拡がっていたりして手術が危険な場合には抗がん剤による治療が選択されることもあります。
【予防】普段からチェックしたり定期検診を受ける
皮膚の状態をこまめにボディチェックしましょう。
特に脂肪腫のできやすい部分はよく確かめます。
また病院で定期検診を受けることも早期発見につながりやすいです。
しこりといっても良性の脂肪腫から肥満脂肪腫などの危険なしこりまで様々です。
それで、しこりを見つけたら早めに病院を受診しましょう。
脂肪腫になりやすいのが、やせ型の犬より肥満型の犬の方が多いことから食べ過ぎにも気をつけるとよいでしょう。
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