犬の尿崩症
健康な犬の場合、1日の尿量は体重1kgあたり60ml以下です、これが100ml以上になるとどこかしら異常があると考えます。
正常な腎臓の場合、糸球体により濾過した水分の99％異常を再び吸収して体に戻します。
この結果、膀胱に貯留する尿は、濾過したときよりもはるかに濃縮された状態になっています。
しかし、この再吸収のメカニズムが働かなくなると尿が凝縮されずに大量に作られてしまいます。
この状態を尿崩症と呼びます。
【症状】主に多飲多尿
尿崩症の症状は、尿量が異常に増加する事が主に挙げられます。
水分再吸収不全をおこしており、淡黄色から無色に近い尿を大量に排出します。
非常に大量の水分が尿として体から排出されてしまうので、それを補うために水を大量に飲むようになります。
水の容器が空になると自分の尿や庭のゆいなど水分を含むものなら何でも口にいれようとします。
発症初期であれば、元気もあり食欲も正常ですが、慢性化すると次第に痩せ始めます。
大量に水を飲める場合は正常と変わりなくても、水がなくたびたび水分が不足すると脱水症状を起こし、意識混濁や痙攣が起こる場合もあります。
【原因】腎臓性と中枢性にわけられる
尿崩症には、腎臓に問題がある腎臓性尿崩症と、脳の下垂体に問題がある中枢性尿崩症とにわけられます。
中枢性尿崩症では、下垂体からのバソプレッシン（抗利尿ホルモン）の分泌が不足したときに起こります。
腎臓性尿崩症は、バソプレッシンは正常に機能しているが、腎臓の反応が先天的あるいは後天的に悪いことが原因で起こります。
【治療】抗利尿ホルモンの投与
尿崩症はバソプレッシンやそれと同じ働きをもつ薬物を与えることによって治療が可能です。
定期的に注射するか、毎日天鼻する製剤が用いられています。
順調なら長生きすることも期待できますが、腫瘍細胞によってバソプレッシン産生細胞が圧迫されたり破壊されたりしている場合には予後が悪くなることもあります。
腎臓性の場合は、利尿剤や低ナトリウム食による食事療法を行います。
【予防】早期発見・早期治療
尿崩症には具体的な予防策はなく、早期発見・早期治療が大切な病気です。
尿量を観察し、異常があるかどうか日々観察してください。
この病気によく見られる症状
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