犬のエキノコックス症(多包条虫症)
【症状】下痢くらいで、特に重い症状は出ません
犬がエキノコックス(多包条虫)と呼ばれる寄生虫に寄生されても、下痢または液状の便をする程度で特に重い症状にはなりません。
【原因】北海道のキツネに寄生するエキノコックスという寄生虫が寄生して発症します
エキノコックス(多包条虫)が寄生することで発病します。
元々は北海道に住むキツネや犬などの肉食獣の小腸に寄生していて、その卵を糞と一緒に排出します。
その卵を体内に入れたネズミの体内で孵化、肝臓内に多数ののう胞を作り幼虫にまで成長し、キツネや犬などの肉食獣に捕食されるのを待ちます。
多数ののう胞を作る条虫という意味で多包条虫と呼ばれます。
キツネや犬に食べられて体内で成虫となり、のう胞は作りませんが糞の中に大量の卵を排泄するサイクルです。
元々は北海道でのみ確認されていたエキノコックス(多包条虫)ですが、現在は関東地方から中部地方で寄生されている犬が見つかっており徐々に広まりつつあります。
【治療】成虫にしか効きませんが駆虫薬で駆除します
サナダムシの駆除にも使われるプラジクアンテルという駆除薬で駆除できます。
ただし成虫にしか効果がありません。
【予防】北海道でネズミを捕食しないように飼い主は気を付けて
エキノコックス症(多包条虫症)の流行地域、特に北海道においてはネズミを捕食したりしないよう放し飼い等は避けるべきです。
また予防的に駆除薬を与えておくのも良い方法です。
犬同士ではエキノコックス症の感染はありませんし、キツネと接触したからと言って犬には感染しません。
エキノコックスの卵だけを食べても犬は感染ません。
あくまで感染し体内で幼虫となったネズミを犬が捕食した場合にのみ感染するのです。
なので特に流行している北海道においては、野原などに犬を放つことは危険行為となるのです。
【注意】エキノコックス症(多包条虫症)は人に感染すると大変なことに
エキノコックス(多包条虫)は人にもうつります。
そして人に寄生した場合は犬とは違い、大きな被害を受けることになります。
何かの拍子にエキノコックスの卵が人間の体内に入ると、肝臓内にエキノコックスの幼虫が寄生します。
肝臓内で増殖し他の臓器へも移転します。
人間の体内での潜伏期間は5~15年と言われており、感染初期の段階では自覚症状が全くありません。
肝臓に思い障害を起こし治療せずに放置しておくと死に至ります。
愛犬からの感染を予防するためには、愛犬の定期的な条虫駆除が大切です。
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