犬のクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
【症状】大量に水を飲み、オシッコが増える。食べるのに痩せていく
症状としては水を大量に飲み、オシッコの回数も量も増える。
エサをたくさん食べるのに痩せていく。
お腹だけが膨れる。
胴体の体毛が左右対処に抜ける。
こういった症状が見られ、糖尿病を併発することもあります。
【原因】脳下垂体の腫瘍が主な原因
腎臓の上部にある副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが過剰のために起こります。
犬のアジソン病の正反対の状態です。
副腎は脳にある脳下垂体によって制御されていますが、この脳下垂体に腫瘍ができることによって副腎を正常に制御できなくなって過分泌を起こすことが大半の原因です。
副腎自体に腫瘍ができてクッシング症候群となることもありますが、その割合は2割ほどと言われています。
そのうちの90%近くが左右の副腎の片方に腫瘍ができると言うものです。
またアトピー性皮膚炎や腫瘍、アレルギーの治療のためにグルココルチコイドを、大量にまたは長期間投薬された結果起こすことがある。
グルココルチコイドは副腎皮質ホルモンの1つであるため、過剰分泌と同じ状態になるためである。
【治療】外科手術で脳下垂体の腫瘍を除去するが難しい場合も
クッシング症候群の大半を占める原因は脳下垂体にできる腫瘍のため、この腫瘍を除去するための外科手術が行われますが手術による除去が難しいことがよくあります。
なので放射線治療によって腫瘍を小さくしていく試みが行われます。
腫瘍の除去が手術で難しい場合には、投薬によって副腎皮質ホルモンの分泌を抑える手法が用いられます。
この投薬治療は基本的に一生続く投薬治療となります。
またグルココルチコイドの投薬によりクッシング症候群を発症している場合には、その投薬量を減らしていくことが検討されます。
【予防】普段からの愛犬の観察が大事
予防法は特にありません。
普段から愛犬の様子に注意し、おかしいと思えば獣医師の診察を受けることです。
治療としてグルココルチコイドを投与されている場合は、獣医師に相談してその投与方法や量を変更します。
勝手に投薬を止めたりはしないようにすることが大事です。
【犬種】クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)になりやすい犬種がいます
下記の犬種によく見られます
ダックスフント
プードル
ポメラニアン
ボストンテリア
ボクサー
などです。
この病気によく見られる症状
おしっこの量が増える(尿がたくさん出る) お腹が膨れる 体重が落ちる(やせる) 元気がない・疲れやすい 毛が抜ける 水をたくさん飲む 皮膚がうすくなる 食欲が増える
似たような症状が出る他の病気
犬の尿崩症
健康な犬の場合、1日の尿量は体重1kgあたり60ml以下です、これが100ml以上になるとどこかしら異常があると考えます。 正…
犬の糸球体腎炎
糸球体腎炎とは、腎臓内部の糸球体が炎症を起こしている状態のことを指します。 糸球体とは毛細血管の塊で血液をろ過する役割をしてい…
犬のブルセラ症
【症状】オス・メスともに繁殖障害を起こします オスメスともに繁殖障害を起こすことがあります。 オスの場合は睾丸が腫れ上がるなど…
犬のジアルジア症
【症状】悪臭のする水様便が特徴 主な症状は下痢で水のような状態のことが多い。 またその下痢はかなりの悪臭で、油が腐ったような匂…
犬の尿道結石
泌尿器系に結石ができる病気を尿路結石といい、そのうち尿道にできるものを尿道結石といいます。 尿の流出路である尿道が詰まることで…
犬の脱毛症(抜け毛)
犬は、春から秋の間に「抜け変わり」をし、毛が大量に抜け落ちます。 抜け変わりの時期に毛が抜けるのは、生理的な現象で心配の必要は…
犬の鉤虫症
鉤虫とは体長1~2cmの糸のように細く白い虫です。 それが体内に侵入し小腸内で寄生する病気を鉤虫症といいます。 十二指腸炎とも…
犬の胃拡張・胃捻転症候群
【症状】えずいたり腹部が膨れだしたらすぐに動物病院へ 一刻を争う病気です 胃捻転・胃拡張症候群はGDVとも呼ばれる急性の病気で…
犬の皮膚糸状菌症(白癬、皮膚真菌症)
皮膚を好んで感染する真菌を皮膚糸状菌といい、犬・猫に感染症を引き起こす種類として20種類以上が知られています。 症状は多様で痒…
犬の変形性骨関節症(DJD)
【症状】歩行異様から運動制限など 変形性骨関節症は初期症状として、歩行などの動くことを嫌がる、跛行、着地不能などの歩様異常を示…
犬の鞭虫症
犬鞭虫は広く世界的に分布しており、日本でも全国的に発症が認められています。 発生数は減少している鞭虫症ですが、多頭飼いなどでは…
犬の僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜん)とは、心臓の弁が変形したり弁を動かしている腱が弱ったりして弁がうまく閉まらなくなっ…
犬の拡張型心筋症
犬がかかる拡張型心筋症とは、心臓の筋肉である心筋に何らかの異常が起こり、心臓の働きが弱くなってしまう病気です。 心臓が肥大した…
犬のコクシジウム症
【症状】子犬で発症しひどい下痢や血が混じることもあります 成犬の場合は症状が現れることはほとんどありません。 主に子犬の場合に…
犬の前立腺肥大
前立腺肥大とは、前立腺が肥大している状態で去勢していない6歳以上のオス犬に多く見られます。 前立腺が徐々に肥大してしまうと、周…
犬の続発性脂漏症(脂漏症)
【症状】皮膚がカサカサになったり、痒みをともなう発疹や悪臭 脂漏症には、乾性脂漏症と油性脂漏症の2種類の種類があります。 乾性…
犬のツメダニ症
【症状】背中の大量のフケと赤い発疹が特徴 ツメダニ症の最大の特徴は大量のフケが発生することです。 特に背中によく見られます。 …
犬の膵炎(すい炎、膵臓炎、すい臓炎)
膵臓とは胃の背中側にある細長くて平ぺったい臓器で、唾液を出したり血糖値を上下させるなどの働きを持つホルモンを分泌する機能を持っ…
犬の糞線虫症
高温多湿の環境に置かれた幼犬に多く発症する糞線虫症は、寄生虫の一種ですが、重症になると死に至ります。 だいたい2mm程度の成体…
犬ジステンパーウイルス感染症
犬ジステンパーウイルス感染症とは犬ジステンパーに感染することにより発症する、死亡率と伝染性の高い病気です。 感染すると1週間ほ…
犬のコロナウイルス感染症(コロナウイルス性腸炎)
犬コロナウイルス感染症とは、犬コロナウイルスに感染することで引き起こされる感染症のことです。 消化管に感染し下痢や嘔吐などの症…
犬のエキノコックス症(多包条虫症)
【症状】下痢くらいで、特に重い症状は出ません 犬がエキノコックス(多包条虫)と呼ばれる寄生虫に寄生されても、下痢または液状の便…
犬のライム病
【症状】感染しても95%は無症状。症状が出ればあちこちの関節が腫れてきます ライム病に感染しても症状を表すのはごく一部の犬で、…
犬の肥満細胞腫
犬や猫に多発する腫瘍の一つで特に犬に多く発生します。 あらゆる場所に発生しますが、そのほとんどが皮膚に発生します。 犬の皮膚腫…
犬の回虫症
【症状】子犬の下痢や嘔吐に太鼓腹のようなお腹の膨らみ 子犬の間に感染し発症することが多い病気です。 下痢や嘔吐が見られ発育が遅…
犬の糖尿病
【症状】多飲多尿から始まり、体重減少・脱水 糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンに基づく代謝性疾患です。 インスリンは体の…
犬の心室中隔欠損症
心室中隔欠損症は先天性心奇形の中で最も頻度の高いものと言われています。 心室中隔欠損症が肺の病気や発達障害を引き起こす危険もあ…
犬パルボウイルス感染症
パルボウイルス感染症は免疫力の弱い子犬に発症しやすく、感染した場合1~2日で急死することがあります。 犬パルボウイルスは感染率…
犬の前立腺腫瘍
前立腺腫瘍とは前立腺に悪性の腫瘍ができる病気のことです。 前立腺はオス犬の膀胱の下にあり、精子の運動能力を活発にする精液を分泌…
犬の水頭症
水頭症とは頭蓋骨が大きく骨が薄い犬種、短頭種、小型犬に多く発症する脳の病気です。 チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスフン…
犬の乳腺炎
乳腺炎とは、乳腺組織に炎症がみられるものを指します。 多くは乳頭口から乳腺に細菌が混入して生じます。 【症状】腫れやしこり、黄…
犬の扁平上皮がん
扁平上皮とは、体の表面を覆う表皮のことで皮膚の最上部を占めています。 その扁平上皮と呼ばれる部分にがんが生じている状態を、扁平…
犬の股関節形成不全(股関節形成異常)
股関節形成不全とは、太ももの骨と骨盤とを結合する股関節がうまく作られず形が異常になってしまう、発育や成長の異常です。 この病気…
犬の悪性リンパ腫(リンパ肉腫)
【症状】下アゴの腫れに気付いて獣医師の元へ駆け込むことが多いです 悪性リンパ腫は体のどのリンパが腫瘍化するかによって症状が違い…
犬のそけいヘルニア(鼠径ヘルニア)
【症状】足の付け根が膨らんで排尿困難や腸閉塞を起こすことがあります 鼠径とは足の付け根の部分を言い、ヘルニアとは臓器などが正規…
犬のレプトスピラ症
【症状】無症状の場合も多いけど吐血や黄疸などの症状と短期間で死亡することも レプトスピラ症にかかった犬の大半は、特に症状が出な…
犬の瓜実条虫症(犬条虫症)
【症状】肛門を擦りつけたり舐めたりします 瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)に罹っても成犬の場合は無症状の場合が多いです…
犬の心房中隔欠損症
心房中隔欠損症とは、心臓の左心房と右心房の間にある中隔という壁に生まれつき卵円孔という穴が開いている病気です。 【症状】卵円孔…
犬伝染性肝炎
犬伝染性肝炎とは、犬アデノウイルス1型によって引き起こされるウイルス性の感染症です。 軽度のものであれば症状がなかったり、症状…
犬のマンソン裂頭条虫症
【症状】症状が出ることは少ないけど、下痢と便のニオイが強くなります マンソン裂頭条虫症に感染してもあまり症状が出ません。 症状…
犬の腸閉塞
【症状】軽度では食欲不振、重症だと嘔吐や衰弱 腸閉塞は別名「イレウス」ともよばれ、閉塞部位と閉塞の程度(完全閉塞・不完全閉塞)…
犬の甲状腺機能低下症
甲状腺とは全身の細胞に作用して、エネルギー、タンパク、ビタミンなどの代謝に関わる働きをしています。 甲状腺から分泌される甲状腺…
犬のネフローゼ症候群
【症状】初期は無症状だが進行すると全身のむくみと腹水でお腹が膨れる 初期の段階では高タンパクの尿のほかには特に症状は見受けられ…
犬のアカラス症(ニキビダニ症、毛包虫症)
【症状】体のあちこちが脱毛する この病気はアカラス(ニキビダニ、毛包虫)という寄生虫が毛の根元近くの毛包や皮脂腺に寄生すること…
犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)
【症状】下痢や嘔吐のほか急性の場合は呼吸困難やショック状態にも この病気は副腎から分泌される副腎皮質ホルモンの量が低下すること…
犬の椎間板ヘルニア
【症状】激しい痛みにより、動かずじっとしています 椎間板とは頚椎から尾椎の椎骨と椎骨のあいだに存在し、椎骨を連結する役割を果た…
犬の肺動脈狭窄症
肺動脈狭窄症は、犬における先天性心臓病の発症件数調査で、国内外問わず上位5位に入るほど発生頻度の高い病気です。 プードル、コリ…
犬の門脈シャント
【症状】肝性脳症によるよだれやふらつき 通常は、消化管内で産生されたアンモニアなどの毒素は腸管から吸収されると、門脈と呼ばれる…
犬の子宮蓄膿症
子宮蓄膿症とは子宮の内部に膿が溜まる病気です。 細菌感染によって引き起こされ生死にかかわる病気です。 子どもを産んだことのない…
犬の膿皮症
細菌感染による皮膚病として最も多く見られるのが膿皮症です。 皮膚の化膿性または農産生性の細菌感染により起こります。 【症状】か…
犬のバベシア症
【症状】40度以上の高熱や黄疸、血尿も。肝臓や腎臓に影響が出ることもあります バベシア症に感染すると40度以上の高熱や、息が早…
犬のノミアレルギー性皮膚炎
【症状】痒みと脱毛と小さな発疹 ノミの唾液や糞がアレルゲンとなって、アレルギー反応を起こす皮膚炎です。 かゆみや脱毛、皮膚が荒…
犬の会陰ヘルニア
【症状】お尻の周りが膨らんでいたら要注意 この会陰ヘルニア主な症状としては、肛門周りの会陰部分が膨らむというものです。 肛門嚢…
犬の肝臓がん
犬の肝臓がんは、かなり頻繁に起こる病気ですが発見した時には手遅れで、命を奪ってしまうケースが多い恐ろしい病気です。 【症状】初…
犬のトキソプラズマ症
【症状】無症状の場合が多いが妊娠していると流産の危険性も 一般的には感染しても無症状のままが多いのですが、発熱や筋肉痛と言った…
犬の尿毒症
腎臓の昨日は、体に不必要となった老廃物や毒素を尿として排出するほか、骨の代謝・造血・体液の平衡状態の維持などがあります。 腎臓…
犬のフィラリア症(犬糸状虫症)
【症状】感染から発症までは長いが急性の場合はただちに動物病院へ フィラリアという寄生虫の感染によって起こる病気ですが、感染初期…
犬の膀胱結石
膀胱結石とは、尿を一時的に溜めておく膀胱に結石と呼ばれる石が詰まることで尿が出にくくなったり激しい痛みが生じる病気です。 膀胱…
犬の肛門周囲腺腫
肛門周囲腺腫とは、肛門の周りにある線組織に固い腫瘍ができることを指します。 腫瘍と言っても良性の腫瘍であることが多いです。 去…
犬の下痢
【症状】下痢よって痩せたり脱水症状を起こしたり様々です 下痢することによって体重の減少や脱水症状は起こりやすくなります。 食べ…
犬の疥癬
疥癬とはヒゼンダニによって引き起こされる皮膚の病気です。 ヒゼンダニは顕微鏡で覗いて分かるくらい小さいダニで、耳ヒゼンダニやシ…
犬の肛門嚢炎
肛門嚢炎とは、肛門の左右やや下側にある肛門嚢を呼ばれる部分が細菌などに感染したり、肛門嚢開口部の閉塞によって引き起こされる炎症…
犬の膀胱炎
膀胱とは腎臓から送られてくる尿を一時的に溜める袋状の器官です。 そこで炎症が発生した状態を膀胱炎と言います。 膀胱炎は泌尿器系…
犬の腎不全
腎臓は血液から老廃物を除去したり、尿を形成したり、ホルモンの分泌を行う臓器です。 腎臓が壊れその機能が75%以上失われた状態を…
犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
広義的には、薬剤誘発性溶血性貧血と同種免疫性溶血性貧血も含みますが、一般的には、自己免疫性溶血性貧血と呼ばれていた病気を指しま…